FX取引をする上で、どのようなトレードスタイルを取るのか決めておかなければ、継続的に勝ち続けることは難しいでしょう。そこで、今回はトレードスタイルのそれぞれの特徴と、どのようにトレードスタイルを決めればよいかをご紹介します。
投資スタイルには大きく分けて三つのスタイルがあるので、まず初めに、その三つのスタイルである「スキャルピング」「デイトレード」「スイングトレード」についてご紹介します。
目次
スキャルピング
スキャルピングとは数秒から数分単位の短い値動きでトレードをするスタイルで、主に1分足や5分足などの短期足用いて取引をします。その取引の特徴から下記のようなメリットやデメリットがあります。
スキャルピングのメリット
スキャルピングのメリットとして下記のようなものが挙げられます。
- 取引のチャンスが多い
- 指標の影響を受けない
- スワップの影響を考慮しなくても良い
スキャルピングは短期足を用いて取引をすることから、取引のチャンスが多いという特徴があります。そのため、兼業トレーダーの方で一日にチャートを見れる時間が少ないという方でも、毎日のように取引をするチャンスがあります。また、経済指標の発表時間は前以て決まっているものがほとんどなので、経済指標発表の時間を避けて取引ができ、予期しない急変動を避けることが出来ます。また、日をまたいでポジションを保有しないため、スワップを気にせず取引することが出来ます。
スキャルピングのデメリット
反対に、スキャルピングのデメリットとして下記のようなものが挙げられます。
- 一回の取引での利益が小さい
- 手数料(スプレッド)が多くかかる
- ダマシが多い
取引のチャンスが多いというメリットがある一方で、利確や損切幅の小さいスキャルピングでは取引回数が増えてしまう傾向にあります。FXでは取引のたびに、為替レートの価格差であるスプレッド、つまり、「取引手数料」がかかることとなります。スプレッドは一見、「0.1pips」のように小さく見えますが、週単位・月単位にすると結構な金額がかかっているものです。最大のデメリットは、短い時間足を根拠とした取引となるため、ダマシが多くなることでしょう。ダマシとは、売買サインが出たにも関わらず、セオリー通りのチャートパターン通りに動かないことを指します。
デイトレード
デイトレードとはその名の通り、一日の値動きでトレードをするスタイルで、主に15分足や1時間足、4時間足を根拠として取引をします。その取引の特徴から下記のようなメリットやデメリットがあります。
デイトレードのメリット
デイトレードのメリットとして下記のようなものが挙げられます。
- 取引のチャンスが多い
- 一度に数十pipsの利益を狙える
- 指標の影響を受けにくい
- スワップの影響を考慮しなくても良い
デイトレードは15分足や1時間足を根拠にトレードするスタイルのため、一日に何回か取引のチャンスがあります。さらに、その取引の中で数十pipsの値幅を取りにいくので、うまくいけば一度に大きな利益を獲得することが出来るでしょう。また、一日の中で完結する取引のため、経済指標を避けて取引をしたり、ポジションの持越しをしないため、スワップの影響を考慮しなくても良いというメリットがあります。これらの特徴から最も資金効率の良いスタイルといえるでしょう。
デイトレードのデメリット
反対に、デイトレードのデメリットとして下記のようなものが挙げられます。
- スイングトレードに比べスプレッドがかかる
- スキャルピングに比べて損失の幅が大きい
これは仕方のないことですが、取引回数の少ないスイングトレードと比べると手数料がかかってしまいます。しかし、スキャルピングに比べればスプレッドは抑えられるので、スプレッドの幅と取引回数を掛け合わせて、どれくらいの手数料額になるのか調べておくといいでしょう。デイトレードでは、15分足などを根拠にして取引を行うため、損切設定の幅がスキャルピングよりも広くなりがちです。とはいえ、利確目標の幅も大きくなるので一概にデメリットとは言えないでしょう。
スイングトレード
スイングトレードとは、数日~数週間の値動きでトレードをするスタイルで、主に4時間足や日足、週足を根拠として取引をします。その取引の特徴から下記のようなメリットやデメリットがあります。
スイングトレードのメリット
スイングトレードのメリットとして下記のようなものが挙げられます。
- 一度に狙える利益が大きい
- ダマシがほとんどない
- チャートに張り付く必要がない
- スプレッドが少なく済む
スイングトレードは4時間足や日足を根拠にトレードするスタイルのため、一度の取引で大きな利益を獲得できる可能性があります。また、長い時間足ではダマシが少なく、立てたシナリオでのエントリーや決済のタイミングがわかりやすいという特徴があります。また、4時間足や日足を根拠にトレードすることから、チャートを頻繁に確認する必要がなく、兼業でも十分に取引が可能なスタイルで、取引手数料も小さく済むというメリットがあります。
スイングトレードのデメリット
反対に、スイングトレードのデメリットとして下記のようなものが挙げられます。
- 取引のチャンスが少ない
- 資金効率が悪い
- 指標の影響を受けやすい
スイングトレードでは、長い時間足を根拠とするため、取引のチャンスが少なくなります。また、一度エントリーしたポジションは長期に渡って保有することから、ほかにチャンスの場面が来たとしても証拠金が不足しているなどの理由でチャンスを逃すことがあり、資金効率が悪くなりがちです。また、経済指標によって保有しているポジションのトレンドが変わるなどして、想定していたシナリオが崩れる可能性もあります。
トレードスタイルの決め方
トレードスタイルを決めるうえで重要なことは、下記の三点です。
- そもそもそのトレードスタイルが可能なのか
- 自分の性格にマッチしているか
- 求める収益がいくらなのか
たとえば、日中働いている人が東京市場でスキャルピングやデイトレードをしようとしても、チャートを見れない時間が多くなかなか難しいでしょう。また、少しの含み損でも気になってしまったり、そわそわしてしまうような人がスイングトレードをしようとしても、自身の本業に支障をきたしてしまうばかりか、FX取引でも思うような良い成績にならないかもしれません。さらに、FXにおいての収益目標が高い人がスイングトレードをした場合も資金効率が良くないため思ったような結果を得られないかもしれません。
ちなみに私の場合はこの軸でトレードスタイルを考え、「デイトレード」というスタイルを取っています。理由としては、資金効率を最大化して、自分が相場を見れる時間に大きく利益を獲得したいという考えと、ポジションを保有していることがストレスに感じるためです。そのため、自分の立てたシナリオで利確と損切を行い、基本的には一日で取引を完結するようにしています。
まとめ
上述の特徴をまとめると下記表の通りとなります。
スキャルピング | デイトレード | スイングトレード | |
---|---|---|---|
メインの時間足 | 1分足、5分足、15分足 | 15分足、1時間足、4時間足 | 4時間足、日足、週足 |
取引のチャンス | 多い | 普通 | 少ない |
スプレッドの影響 | 大きい | 普通 | 小さい |
経済指標の影響 | 受けない | 受けない | 受ける |
スワップの影響 | 受けない | 受けない | 受ける |
ダマシ | 多い | 普通 | 少ない |
今回は、トレードスタイルの種類と決め方について記述してきました。FX取引をする上でトレードスタイルを決めずに取引している人はほとんどいないでしょう。また、何か一つの方法に縛られずに、その場その場で臨機応変に立ち回るというのもいいかもしれません。しかし、まずは自分のメインとなる一つのスタイルを決めることが重要です。取引をする前に必ず自分自身のトレードスタイルを決めてから、FX取引に臨むようにしましょう。