FXでの移動平均線の特徴と使い方

FX ≪実践編≫

テクニカル分析が重要だと考えた時に、どのテクニカル指標を使うべきか迷うのではないでしょうか。FXでは様々なテクニカル指標がありますが、まずはメジャーなテクニカル指標から入り、そこから自分の興味を持った指標へとシフトしていくべきだと思います。そこで今回は、ポピュラーなテクニカル指標の一つである移動平均線についてご紹介します。

移動平均線とは

移動平均線とは、一定期間の為替レートの平均値を結んでチャートに表示したものです。ここで、直近10日間の価格の推移が下記の表のようになっていた場合の5日間移動平均線について考えていきましょう。

1日目2日目3日目4日目5日目
115円114円113円112円111円
6日目7日目8日目9日目10日目
110円111円112円113円114円

上記表の場合での5日移動平均値を求めると、下記の通りとなります。

  • 6日目のMA:113円 = {(115円 + 114円 + 113円 + 112円 + 111円 )/ 5日}
  • 7日目のMA:112円 = {(114円 + 113円 + 112円 + 111円 + 110円) / 5日}
  • 8日目のMA:111.4円 = {(113円 + 112円 + 111円 + 110円 + 111円) / 5日}
  • ・・・

計算の方法は上記の通りとなりますが、次に実際に5日移動平均線を表示したチャート画面を確認してみましょう。

上記のように移動平均線を表示することで視覚的にトレンドを捉えることが出来るため、移動平均線は「トレンド系」のテクニカル指標に分類されています。今回は例えをわかりやすい価格変動としましたが、実際の相場は例え程シンプルなものにはならないので、移動平均線を使うことで相場環境を把握しやすくなるメリットがあります。

移動平均線の種類

一口に移動平均線といっても大きく分けて3種類あるのでご紹介します。また、同じ期間設定だったとしても見え方はそれぞれ異なるので、最後にそれぞれの移動平均線の期間を20に設定したチャートを確認してみましょう。

単純移動平均線(SMA)

一つ目は、単純移動平均線です。略してMA(Moving Average)やSMA(Simple Moving Average)とも表されます。単純移動平均線は期間内の値を単純に加算し、設定した期間で割り戻すことにより、平均線を表示する手法で、前項で説明した算式により求められます。

指数平滑移動平均線(EMA)

二つ目は、指数平滑移動平均線です。略してEMA(Exponential Moving Average)とも表されます。指数平滑移動平均線とは、単純移動平均線よりも現在に近い価格に重きを置いて平均値を決定します。算式は複雑なため割愛しますが、単純移動平均線よりも現在価格に重きを置いている移動平均線と考えておきましょう。

加重移動平均線(WMA)

三つ目は、加重移動平均線です。略してWMA(:Weighted Moving Average)とも表されます。加重移動平均戦とは、指数平滑移動平均線と同様に現在に近い価格に重きを置いて平均値を決定します。こちらも算式は複雑なため割愛しますが、指数平滑移動平均線と同様に現在価格に重きを置いている移動平均線と考えておきましょう。

3種類あるのでどの移動平均線を使えばいいか迷うと思いますが、結論から言うとどの移動平均線を使ってもいいです。私は単純移動平均線を使っていますが、それぞれの移動平均線を表示してみて、自分が使いやすいと感じたものを使ってみると良いと思います。

移動平均線の使い方

移動平均線の分析では、短期と長期の移動平均線の2本もしくは、短期と中期と長期の3本の移動平均線を使用するのが一般的であり、代表的なエントリーシグナルに「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」という手法があります。また、ほかにも有名な手法として「グランビルの法則」という手法もあるので併せて確認をしていきましょう。

移動平均線の期間設定

移動平均線の期間設定としてメジャーな設定は下記表の通りとなっています。

短期線5・8・10・12・13
中期線20・21・25・50
長期線75・100・200

上記の通り、一口に”短期・中期・長期”と言っても人によって表示する移動平均線が異なります。また、表示する時間足によっても見え方は異なるので、いくつかのパターンを試してみて自分が良いと思う設定を見つけてみましょう。

ゴールデンクロス/デッドクロス

ゴールデンクロスやデッドクロスはチャートに移動平均線を2本表示することで判断するエントリーシグナルのひとつです。具体的には短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜いたら「ゴールデンクロス」、反対に短期の移動平均線が中期の移動平均線を下抜いたら「デッドクロス」となります。

下の画像は実際のチャート画面を抜粋しており、移動平均線が交差している箇所に〇をつけており、赤い丸がゴールデンクロス、青い丸がデッドクロスを表しています。

上記の画像から、ゴールデンクロスやデッドクロスはトレンド転換を示唆する指標として役に立つことがわかります。また、トレンド発生時には、短期線や長期線がトレンドのサポートやレジスタンスとしても機能していることがわかります。このように、移動平均線は「トレンド転換」や「トレンドのサポート/レジスタンス」として機能し、トレンドレスの状態(レンジ相場)では機能しづらいテクニカル指標であることがわかります。

グランビルの法則

グランビルの法則とは米国のチャート分析家ジョゼフ・E・グランビル氏が考案した、移動平均線と株価の乖離(かいり)の仕方や方向性を見ることで、株価の先行きを判断する株式投資理論*です。

この法則は株式投資理論として使用されますが、FX取引でも移動平均線の動きから「買い」と「売り」のそれぞれ4通り(計8通り)の買いや売りのシグナルを判断することが出来ます。

グランビルの法則

4つの買いパターン

  1. 移動平均線が上向きになりつつある状態で、移動平均線を上回った場合
  2. 移動平均線が上向きで、移動平均線を下回った場合でも、移動平均線が上昇中の場合
  3. 移動平均線が上向きで、移動平均線を下回ることなく再度上昇した場合
  4. 移動平均線が下向きで、移動平均線から大きく乖離して下落した場合

4つの売りパターン

  1. 移動平均線が下向きになりつつある状態で、移動平均線を下回った場合
  2. 移動平均線が下向きで、移動平均線を上回った場合でも、移動平均線が下降中の場合
  3. 移動平均線が下向きで、移動平均線を上回ることなく再度下降した場合
  4. 移動平均線が上向きで、移動平均線から大きく乖離して上昇した場合

また、参考までに最近発生したグランビルの法則に当てはめることのできたチャート画像を紹介します。

グランビルの法則_例

もちろんすべてのチャートパターンが法則通りに当てはまるわけではありませんが、状況によってはきれいに法則通りに機能することもあります。チャートに表示する時間足や期間設定から見え方は大きく異なるので、エントリーや決済の根拠の一つとして覚えておくといいでしょう。

まとめ

今回はテクニカル指標の一つである移動平均線についてご紹介しました。他にも、メジャーなテクニカル指標はありますが、あくまでテクニカル指標はローソク足を算式により可視化して表示したものでしかありません。

どんなテクニカル指標を使うにしても、なんとなく表示しているだけでは意味がないので、自分にマッチしたテクニカル指標を使い続けて有効に活用できるようになることが重要であることを念頭に置いておきましょう。

大和証券 金融・証券用語解説 [グランビルの法則]より引用

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