金融商品を選ぶために確認すべき3つのポイント

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以前ご紹介した「金融商品の種類と重要な三つの要素」で、重要な三つの要素とは「安全性」「収益性」「流動性」であることは説明しましたが、自分がどの金融商品を選ぶべきなのかピンと来ない方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、投資先である金融商品を選ぶために確認すべき3つのポイントをご紹介します。

投資先を選ぶポイント①:投資可能な資金を確認する

自分自身が投資可能な金額がいくらかは、お金の管理をしっかりとしていない限りはわからないと思います。「投資資金はあくまで余剰資金で」とはいうものの、自分にとっての余剰資金がどれくらいあるか、考え方がわからなければ元も子もありません。そこで、読者の方がイメージしやすいように、社会人二年目で一人暮らしのAさんを例としてご紹介したいと思います。

Aさんのプロフィール:

Aさんの家計収支(年) 現在の貯蓄額:50万円
項目収入金額支出金額
給与(手取り)2,400,000円
家賃720,000円
食費480,000円
交際費180,000円
水道・光熱費120,000円
日用品費120,000円
通信費120,000円
交通費60,000円
その他200,000円
合計2,400,000円2,000,000円

Aさんの家計では収入240万円に対し、支出が200万円となっていることから、問題なく家計バランスが取れていることがわかります。しかし、収支の余りがすべて「余剰資金」であるわけではありません。次に余剰資金を確認するために「お金の色分け」をしてみましょう。

お金を色分けしてみる

お金の色分けとは、自分のお金を「日常で使うお金」「備えるお金」「使う予定のないお金」に分けることです。それぞれに特性があるので確認していきましょう。

まずは「日常で使うお金」は絶対に失ってはいけないお金です。つまり、ここに分類されるお金は絶対に投資をしてはいけないお金です。Aさんでいうと、家計支出である年間200万円は投資にはまわさないようにすべきです。なぜなら、万が一このお金が減ることになると、家計が立ち行かなくなるためです。まずは自身の家計を可視化して、自分が最低限必要なお金がいくらなのかを確認しましょう。

次に、「備えるお金」は運用しない、もしくは流動性の高い投資先で安全に運用すべきお金です。Aさんでいうと、現在の貯蓄である50万円です。家計収支は問題なく回っていることがわかりますが、突然の病気や事故などによって、突発的な支出が発生するかもしれません。備えるお金をいくらとするかは各自の自由ですが、一般的には手取り収入の3か月分や6か月分を貯蓄しておくべきという見方があるようです。貯蓄が全然足らないという方もいると思いますので、その場合には自身の家計支出の見直しからはじめて、削れる部分がないかを確認してみるといいかもしれません。

最後に、「使う予定のないお金」です。Aさんでいうと、これに分類されるお金はありません。しかし、ここに分類されるお金こそが投資に使うべき「余剰資金」です。しかし、使う予定のないお金とはいえ、将来どのようなお金がどれくらいかかるかを知らなければ、どのような運用をするべきか判断できないでしょう。そこで次項では、一般的なライフイベントとかかる費用をご紹介します。

将来どれくらいのお金がかかる?

主なライフイベントと費用は下記の通りです。

このライフイベントだけでも結構なお金がかかることがわかります。もちろん住宅ローンの活用や、老後には年金をもらえる、ということを想定すれば、純粋に手元から出るお金ではありませんが、ある程度計画的に生活しないと、どこかで家計が破綻する可能性もあります。

まずは簡単でいいので、上記を参考に自身の考えるライフイベントを設計し、何年後にいくらの金額が必要となるのか計算してみましょう。計算してみることで、いくら投資資金として使えるのか、何年くらいの運用期間があるのかわかるはずです。そして、元本と運用期間を決めることで、投資先を選びやすくなるでしょう。

参考)日本FP協会 主なライフイベントにかかる費用の目安

投資先を選ぶポイント②:求めるリターンを確認する

上記で何年後にいくらの金額が必要なのか確認出来たら、次は自分の求めるリターンがどれくらいなのか考えてみましょう。リターンが高いほど良いと考えるでしょうが、一般的にリターンを求めればリスクが上がります。ここで大事なのが「単利」で考えるのではなく、「複利」で考えることです。なお、「複利」とは元本だけではなく、発生した利子にも利子が付くことです。

複利の考え方を整理するために、100万円を年率10%で運用した場合で考えてみましょう。100万円を年率10%で運用すると成果、1年後には110万円(= 100万円 × 110%)になり、運用成果はプラス10万円となります。そして更にこの110万円を年率10%で運用すると、121万円(= 110万円 × 110%)となり、運用成果はプラス11万円となります。そして、さらに~というように、「複利」で運用することで、元本のみで運用するよりも高い成果が期待できます。

表:100万円を年率10%で複利運用した場合
年数元本運用後
1年目100万円110万円
2年目110万円121万円
3年目121万円133万円
4年目133万円146万円
5年目146万円161万円
6年目161万円177万円
7年目177万円195万円
8年目195万円214万円
9年目214万円236万円
10年目236万円259万円

この複利をうまく活用することによって、運用したいお金が何十年も先の老後資金などの場合には、無理に高いリターンを求めて運用するよりも、安全性が高く堅実な運用の方が適しているのです。

ちなみに、複利によるリターンを簡単に計算したいときは「72の法則」という法則があり、お金を2倍にするのに必要な期間が簡単に求められます。下記に記載しておきますので、是非参考にしてみてください。

計算式 : 72 ÷ 金利(%) ≒ お金が2倍になる期間(年)
例①)72 ÷ 3(%) ≒ 24(年)
例②)72 ÷ 5(%) ≒ 14.4(年)

投資先を選ぶポイント③:ポートフォリオを組む

ポートフォリオとは、金融商品の組み合わせのことで、金融商品ごとの保有比率を表します。たとえば、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオは以下の通りとなっています。

第4期中期目標期間(2020年4月1日からの5カ年)
国内債券外国債券国内株式外国株式
資産構成割合25%25%25%25%
乖離許容幅各資産±7%±6%±8%±7%
債券・株式±11%±11%

参考)GPIF 基本ポートフォリオの考え方

相場の格言で「卵は一つのカゴに盛るな」という言葉があります。この言葉が意味するのは、何か一つの金融商品にのみ投資を行うのではなく、投資先を複数とすることでリスク分散をした方が良いということです。GPIFのように株式と債券としておけば、好景気の時は株式が強く、不景気の時は債券が強くなるのでリスクヘッジが出来ていることがわかります。

なお、上記のように株式と債券のみで考えれば、一般的なリスク度合いは株式>債券となります。これをベースに考える時の例として、リスク選好の人は株式比率を高めても良いと思いますし、安全性を重視したい人は債券比率を高めればよいと思います。全然違うポートフォリオにして、下記のようなポートフォリオにしてもいいでしょう。

ポートフォリオとはあくまで個人の自由なので正解はありません。自分の期待するリターンや取れるリスクなどから、自分に合ったポートフォリオを考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

ここまで金融商品を選ぶために確認すべきポイントを解説しましたが、自分なりの投資先が何となく見えてきたでしょうか。この記事を読んでいきなり投資先を決定するというのは難しいと思いますが、投資に使えるお金と求めるリターンや取れるリスクを自分なりに考えてみることから始めてみましょう。

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